子どもと親のためのコミュニティ広場
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命名― その想い―
吉田 孝子(37) 石川県金沢市
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それは我家に子どもが生まれるずっと前の話。主人は大まじめに言いました。
「子どもの名前は決まっとる。女やったら愛を恵むマナエ、男なら幸せを与えるサチヨ
や。結婚前から決めてあった」
よっぽどのバカかロマンチスト?と笑ってしまった私。願いどおり女の子誕生。すぐに
愛恵の出生届を提出しました。
しかし子育ては辛いものでした。私は産後体調を崩しオムツを替えるのもやっとでした。
子どもの顔から笑顔は消え、私にはずっとなつく事はありませんでした。私は実家で静養
し離ればなれの生活が続きました。その間、主人は子どもにつらい思いをさせまいと家事
に育児、子どもの送り迎えと全てを引き受けてくれました。彼の命名には子どもに対する
深い愛情と確固たる意志があったのです。
愛恵は二歳になろうとしていましたが、何もできない私は戻るのをためらっていました。
そんなある日、いつも主人とバイバイをしていた愛恵が淋しそうな顔をしてお母さんも来
て欲しいと私の手をひいてくれたのです。子どもとの絆を感じた忘れ難い一瞬でした。
愛恵は六歳。明るく素直で思いやりのある子になりました。私も今は毎日楽しく、話を
し共に遊び、いろんな体験もさせています。それでも主人には残念ながら勝てません。そ
して私がどれだけ頑張っても愛恵からもらうものの方がはるかに多く、感動の連続です。
主人は愛恵の意味は『愛に恵まれるのではなく愛を恵む子になって欲しいんだ』とよく
言ってきかせていました。
もう一人忘れてはいけません。二人目は幸士
と命名しました。その名の通りいつもニコ
ニコと何の悩みもなく幸せそうにしています。イタズラ盛りで、いつも
「こうしーっ」
と叫びながらも笑ってしまいます。
主人は、こうなることを予見していたのでしょうか。
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