子どもと親のためのコミュニティ広場

村山 真弓
智春(ちはる)へ…私達のかぐや姫
村山 真弓(49) 千葉県船橋市

 平成10年4月25日 午前0時5分。娘の智春(ちはる) が生まれた。たった今おななから出 てきた児を胸に抱いた。ずっしりと重くてあたたかい。その時、思わずこんな詩が心 にうかんだ。
     命名(めいめい)
  あなたは今生まれたばかりなのに
  ずっと前からここにいたようだ
  熱くはずむ肌とずっしり重たい体
  今、腕の中でねむっているあなたに
  名前をつけるなんて……

  命のおおきさに
  言葉などおよばない
  でも
  この世であなたを呼ぶために許して下さい
  あなたを智春と呼ばせて…下さい

 午前3時、うす暗い待合室で夫と対面した智春と私。
 「女の子…智春が生まれたわ」
 「声、聞こえた。すごく大きくて元気だった。ありがとう」
 夫は私を抱いてキスした。

 昨年の秋、妊娠に気付いた私は、42歳。夫は57歳だった。これから生み育てる苦労 を思うと、あきらめようか…と私は思った。すると夫は、「どんなに大変でもがんばって育 てるから、産んで下さい」と、土下座までして頼んだ。それで決定……。
 それから私は、赤ちゃんの名前を何冊もの本を参考にして3ケ月かけて考えた。予定日 は春おそくだ。春という字を使いたくて、さんざん考え、三つほど候補を決め、出産を待 っていた。八重桜満開の夜、この世に生まれた娘。(さと) しく春のように……智春(ちはる)と名付けた。


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