子どもと親のためのコミュニティ広場
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私は、その言葉を聞いて愕然とした。
「けいちゃんの名前って、ミーちゃんのミを取っただけだね」
その時、私は小学校の高学年。姉は中学生だった。隣の仲良しの高校生のお兄ちゃんが、
姉のことをボウリングに誘ったのだ。姉は二人で行くことをためらい、私を誘った。私は、
ホイホイとついて行き、この言葉を聞いたのだ。
スコア表に名前を書きながら、なにげなく言ったお兄ちゃんの言葉。その事実にまった
く気付いていなかった。
姉の名前は、美しく恵む子と書いて美恵子。
私の名前は、恵む子と書いて恵子。
確かに美しいのミの字がないだけだった。
姉は、名前のとおりにスタイルも良く、顔もまあまあだった。一方、私は幼稚園で「チ
ビ、デブ、ブス」と言われて登園拒否をして、転園した経歴を持つ。小学校を卒業するま
で「前にならえ」の時はいつも、腰に手をあてていた。一度でいいから「前にならえ」を
やってみたいと思っていた。ところが、中学生になるとめきめきと伸び、クラスメートの
真ん中で「前にならえ」をやっていた。デブでもなくなった。ブスとも言われなくなった。
そして、年月は経ち30を過ぎた頃、意を決して母に名前のことを聞いた。
「何で、こんな名前をつけたの。お姉ちゃんは美恵子で、私は恵子。お姉ちゃんの美が
ないだけなんだよ。いくら、男の子が欲しかったからって、あんまりだと思わない」
「あーら、本当ね。アッハッハッハ。気が付かなかったわ。でも、ちゃんと占師に見て
もらってつけた立派な名前なのよ」
と、名前のことにこだわり続けた私は、あえなく返り討ちにあい、トッピンシャンと幕
は閉じた。
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