子どもと親のためのコミュニティ広場
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2004年4月に生まれた長女に千絢
と名付ました。
夫の希望に沿った名前を私がいくつか考え、そのなかから夫が選びました。普段は姓名
判断など占い全般をまったく信じない夫が、いろいろな本に目を通しあれこれと考えてい
ました。その姿に生まれ来る娘に対する父親としての愛情を感じて嬉しく思ったことをよ
く覚えています。
絢という文字には、「色糸をめぐらしてとりまいた美しい様子、織物のきれいな模様」と
いう意味があります。漢和辞典を調べてその文章を読んだとき、美しく染め上げらた色糸
や織物のほかに、以前浅野川にかかる橋のうえから飽かずながめた友禅流しの情景が思い
浮かびました。
まだ学生だった頃、私がはじめて金沢を訪れたのが出産と同じ四月のはじめでした。ち
ょうど桜の花も満開で、お天気にも恵まれ、素晴らしい旅行となりました。その旅行でい
ちばん印象的だったのが浅野川の友禅流しです。暖かい春の陽射しがきらきらと輝く川面
を美しく彩っていた加賀友禅を、浅野川の優しい川音とともに、今でも鮮明に思い出すこ
とができます。まさかその10年後にその土地に嫁ぐことになろうとは夢にも思いませんで
した。運命などというと大げさですが、不思議な縁を感じているのも確かです。
これから娘が生きていくうえで、楽しいことや嬉しいことだけではなく、つらいことや
悲しいことにも出会うでしょう。そんなとき、千絢と名づけた私たち夫婦の思いが、ささ
やかでも娘の支えになってくれれば、と思います。淡い色も鮮やかな色も、明るい色もく
すんだ色も、それぞれがバランスよく調和してこそ美しい織物が完成するように、つらい
ことや悲しいことも、いつかは必要な一色だと分かる日がくるはずです。すべての物事を
真摯に受け止め、自分の人生を美しく描いていってほしいと心から願っています。
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