子どもと親のためのコミュニティ広場

笹田久美恵
みずきとはるき
笹田久美恵(37) 富山県高岡市

 みずきとはるき。我家の子どもたちの名前だ。ありがちかもしれないが、みずきが男の 子。はるきが女の子。世間では逆のほうが多いようで、実際からかわれもするらしい。
 そのたび、「お父さんとお母さんが一生懸命考えた名前だぞ!」と反論しているようだ。
 みずきは、結婚したときに、夫の実家の庭にハナミズキの木を植えたことから、最初の 子はこの名前に決めていた。お腹にいたときから名前で呼びかけていた。生まれてすぐの 産院で、二人きりになったとき、「みずき」と呼びかけたら、まぶしそうにうすく目を開け た、その顔を今でもはっきり覚えている。お腹の中で聞いていたんだな。声が届いていた んだな。その時、産んで初めて涙がでた。
 漢字では、「瑞貴」と書く。生後10ケ月で夫が中国に赴任になり、私と瑞貴は何ケ月かお きに、日本と中国を往復した。
 瑞貴は中国語ではルイクイと読む。瑞はおめでたいという意味で、貴は貴い。中国的に も大変にいい名前だと誉められた。
 その中国で第二子を妊娠した。つわりの時期、起きられない私はもちろん、二歳の動き たい盛りの瑞貴も、とてもよくして頂いた。だから、なにか国にまつわる名前を……とい うのが、夫と私の希望だった。
 中華人民共和国で生命を授かった。そこから「華生」と書いて「はるき」と決めた。国 や人種に関係なく、世界中の人と仲良くなってほしいという、両親の欲張りな願いが詰ま っている。
 この子が一年生の時、自分の名前で詩(のようなもの)を作った。
 は…はるとあきがすき
 る…るすばんは一人でしない
 生…生きていきたい
笑ったあとで、じんわり感動した。そう、生きていってほしい。それが一番、親として子 どもたちに望むこと。


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