子どもと親のためのコミュニティ広場
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優しい陽のように
坂田 裕紀(25) 熊本県玉名郡玉東町
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「優しい太陽の光のように周りの人をあたたかく包みこむような人になってほしい」そ
んな願いをこめて長男を優陽と名付けた。
「ゆうひ」という名前にしようと思う、そう周りに伝えたとき、夕日は沈むものだ、縁
起が悪い、やめた方がいいと猛反対された。あまりにも反対されるので、優陽という名前
をとても気に入っていた私たちも少し迷い始め、結局決まらないまま出産予定日は近づい
ていった。
「陣痛始まったみたいなんですけど」病院に電話したのは、冬にしては暖かい日の夕方
だった。助産師さんは、おふろに入ってから病院に来て下さいと落ち着いて、そう私に言
った。あらかじめ準備しておいた入院の用意を再度確かめた後、おふろに入った。大きく
なったお腹を見て、やっとこの子に会えるんだと思うと、出産に対する不安は薄らいでい
った。おふろの戸を開けると、中は真っ赤に染まっていた。二年間この家に住んでいたが、
今までに見たことのない光景だった。我が家自慢の大きな窓から、これでもかと言わんば
かりに夕日の赤い光がさしこんでいたのだ。それは、とても美しく、あたたかく、そして
優しい光だった。その光を受けながら、やっぱりこの子は優陽だ、と強く思った。今から
初めてのお産を迎える私を勇気づけてくれているような、そんな夕日だった。こんなにも
強く優しい夕日の光を見たのは初めてだった。私はお腹をさすりながら、頑張って産むか
らねと約束して病院に向かった。
12月24日のまだ暗い朝、優陽は生まれた。
今、優陽はもうすぐ三歳になる。初め、優陽という名前に反対していた人たちも、今で
は良い名前だねと言ってくれる。優陽はよく笑う子だ。優陽が笑うと家族みんなが元気に
なる。まさに優しい陽のようだ。いつまでも周りの人を、優しくあたたかくしてくれ
る”優しい陽“であってほしい。そう願いつつ、そう育つよう私たちは青空をつくりたい。
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