子どもと親のためのコミュニティ広場
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佳作 |
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名前があるから…今、生きている
松下 孝子(20) 石川県河北郡津幡町
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私の名前は「孝子」です。なんの変哲もない名前ですが、込められた意味・願いは、父 と母の切なる思いからです。それを皆さんにお話ししたいと思います。
1984年8月21日午後6時17分、この世界に一人の女の子が生まれました。でも 聞こえてくるはずの産声、医師や看護師の歓声は響きませんでした。生まれてきた赤ちゃ んの身体は紫色で、呼吸もなく、いわゆる仮死状態だったのです。母も体力が奪われ気を 失い、二人とも生きるか死ぬかといった状況でした。赤ちゃんは国立病院へ運ばれ、親子 が離れ離れになってしまいました。仕事が終わって駆けつけた父はその光景を目の当たり にして、ただ呆然とするしかなかったそうです。そんな父にさらに追い討ちをかけるかの ような医師の一言がありました。
「生まれた子が死んでしまった時、名前がないとかわいそうだから急いで付けてあげてくだ さい!」父は苦しんでいる母を想い、このことは内緒にして子どもの名前を付けようと考 えたそうです。子どもの名前はその子の顔をみて決めようと思っていたけど、それもでき ない…せっかく生まれてきたのに抱いてやれない。成長していく姿を見ることも、成人式 やお嫁にいくのを祝ってやれないかもしれない。親孝行ができる歳まで生きていてほしい、 自分も娘孝行したいのに…そんな思いで孝行の文字を使って「孝子」になりました。名前 がついた子どもに会いに行き、「孝子がんばれ!お父さんもお母さんもお姉ちゃんも皆応援 してるからな」と呼びかけ続けたある日、赤ちゃんの意識がはっきりしてきました。そこ からの回復はめざましいもので、誰もが驚くほどだった、と父は話します。名前を呼ばれ て、意識を取り戻し、今では学校で一番元気!と言えるくらいすくすくと育っています。 もうすぐ就職です。名前負けしないよう、たくさんたくさん親孝行していきたい、と思っ ています。私はこの名前が大好きです!! |
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