子どもと親のためのコミュニティ広場

砂本由香里
佳作
最初の贈り物、最後の宝物
砂本由香里(30) 石川県羽咋郡志賀町

 「連生(れお)」は私が一人で決めた名前です。 「生命が連なる」命を引き続けていくという意味と 、夫の名前からも一字使いたかった事もあり「連生」と名づけました。
 命名は、長女の時と同様に「名前は生まれてから子どもの顔を見て決めたい」と言って いた夫に任せていました。しかし出産日のちょうど一ケ月前に、彼は突然逝ってしまった のです。
 夫を亡くしてから出産までの間は、哀しみや今後の不安で何度も押しつぶされそうにな りました。それでも、子どもが誕生してからは小さな命を守らなくてはと、少しずつ気持 ちを強く持てるようになってきました。
 家族四人で幸せに暮らしたいと描いていた未来を無くし、生まれてくる赤ちゃんを一目 見ることも、そして抱くこともできなかった夫の心を思うと、悔しくて残念でなりません。 それでも、辛い事や大変な時があっても、生きていて子ども達の成長や笑顔を見られる私 はとても幸せです。これまで多くの人たちに支えられ励ましを頂き、今日まで頑張ってこ られました。おかげで子ども達は元気に育っています。
 今でも、もし夫が生きていたなら、どんな名前になっていたのだろうか、何と呼んでい たのだろうと考えることがあります。
 命名は、私が息子へ贈った最初のプレゼントとなりました。そして、息子は彼が私に残 してくれた最後の宝物です。
 連生には、受け継いだ命を大切に、夫の分も精一杯生きて欲しいと思っています。そし て彼が成長し、名前の由来を尋ねてくることがあったら、沢山の思いがあることを教えた いです。


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